

アーカス・リサーチは、アーティスト、キュレーター、研究者、博士過程の学生、作家など、文化・芸術分野の実践者や専門家を対象に、創造的な実験やフィールドワーク、リサーチのための時間と環境を提供する自己主導型の短期レジデンスプログラムです。 アーカス・リサーチに参加することで、日本のアートシーンやあらゆる領域の研究施設とつながりながら、落ち着いた環境で自らの創作に打ち込むことができます。また本プログラムは、参加者にとって自らの活動を振り返り、思考を掘り下げる機会となる他、創造的なプロセスを育むためのプラットフォームになることでしょう。
アーカスプロジェクトは、過去 30 年間にわたり、レジデンスプログラムやラーニングプログラムをとおして、時間、 空間、活気あるコミュニティとのつながりを提供することで国内外のアーティストを支援するとともに、知識や 問題意識を広くアート界や市⺠社会と分かち合ってきました。これまで培った経験と文化的な資源を活かし、ア ーカス・リサーチという新たな枠組みにおいて、アーティストに限らない、文化、芸術分野のあらゆる実践者と協働するとともに、芸術の領域を横断する創作活動を支援してゆきます。
32カ国・地域より52件の応募があり、厳選なる審査の結果、3人のアーティストを選出しました。
レジデンス期間:2026年5月28日―7月31日
レジデンス期間:2026年5月28日―6月26日
レジデンス期間:2026年7月2日―7月31日
スイス/フランス/ベルギー
Photo: Nonzuzo Gxekwa
「西洋」という概念がどのように形成され、その価値観や構造がどのように受け継がれてきたのかを手がかりに、風景の根源を探究するアーティスト。リサーチを元に、パフォーマンスや彫刻などの表現を用いて制作を行う。近年の主な発表に、マニフェスタ12、パヴィヨン・ド・ラルスナル、カナル・ポンピドゥー・センターなどがある。2021-2022年にヤン・ファン・エイク・アカデミーに参加 。アーカス・リサーチでは、日本庭園という管理された空間が、周囲の風景へと開かれていく「借景」の概念に着目する。天龍寺、東大寺、栗林公園などを訪れながら、私有と共有、管理と共生といった境界を再考し、自然・人間・生きものが相互に関係し合うあり方を再構築するための視点として、調査を行う予定。
ポーランド
Photo: Öncü H Gültekin
社会政治的な力学、観光、資源採取といったテーマに関心を持ち、インスタレーションや映像を用いて制作するアーティスト、リサーチャー。これまでにアムステルダム、アテネ、ジョグジャカルタのレジデンスプログラムに参加し、Nieuwe InstituutやCSW Łaźnia、ダッチ・デザイン・ウィークなどで、作品を発表する。アーカス・リサーチでは日本におけるウェルネス・ツーリズム、伝統的な温泉におけるケアの実践を通して、共同的なリラクゼーションやつながりのあり方を探る。フィールドリサーチやバイオマテリアルを用いた実験、参加型の取り組みを通じて、「影」や「雰囲気」といった社会的な意味や文化的概念を考察し、その成果をリサーチとして、また写真による記録としてまとめる予定。
https://izakoczanowska.com
リトアニア/オランダ
Photo: Micklin Korsuize
イメージ 、サウンド、テキストを用いて、記憶がいかにして物や風景の中に形づくられていくのかを探究するデザイナー、リサーチャー。新たに集めた資料や、すでに存在する記録をアーカイヴとして収集し、それらを組み合わせて物語として編み直す手法を特徴とする。これまでに、アート・ロッテルダム、ミラノ・サローネ、ブンデスクンストハレ、ダッチ・デザイン・ウィークで作品を発表。2024年に、ヴィリニュス芸術アカデミーよりヤング・デザイナー賞を受賞。アーカス・リサーチでは、「空を読む」という行為に焦点を当て、古くから人々が「空」に意味や物語を見出してきた視点と、現代における空域の監視や地政学的な視点を比較しながら、空がいかにして権力や管理の対象として「読まれる」存在になっているのかを探り、制作へと繋げる予定。
https://augustina-lavickaite.com