ARCUS Researchアーカス・リサーチ

アーカス・リサーチは、アーティスト、キュレーター、研究者、博士過程の学生、作家など、文化・芸術分野の実践者や専門家を対象に、創造的な実験やフィールドワーク、リサーチのための時間と環境を提供する自己主導型の短期レジデンスプログラムです。 アーカス・リサーチに参加することで、日本のアートシーンやあらゆる領域の研究施設とつながりながら、落ち着いた環境で自らの創作に打ち込むことができます。また本プログラムは、参加者にとって自らの活動を振り返り、思考を掘り下げる機会となる他、創造的なプロセスを育むためのプラットフォームになることでしょう。
アーカスプロジェクトは、過去 29 年間にわたり、レジデンスプログラムやラーニングプログラムをとおして、時間、 空間、活気あるコミュニティとのつながりを提供することで国内外のアーティストを支援するとともに、知識や 問題意識を広くアート界や市⺠社会と分かち合ってきました。これまで培った経験と文化的な資源を活かし、ア ーカス・リサーチという新たな枠組みにおいて、アーティストに限らない、文化、芸術分野のあらゆる実践者と協働するとともに、芸術の領域を横断する創作活動を支援してゆきます。

公募期間:
10月-12月頃(予定)
プログラム期間:
6月-8月のあいだの1ヶ月、または2ヶ月間(予定)
招聘数:
最大4組
条件:
参加者はプログラム費用を負担すること。
(独立したスタジオ、家具付き住居が提供されます。)
プログラム費:
1ヶ月レジデンス 250,000円
2ヶ月レジデンス 500,000円
(予定)

アーカス・リサーチ2023

世界18カ国・地域より31件の応募があり、厳選なる審査の結果、4組のアーティストを選出しました。

レジデンス期間:2023年6月9日―7月8日

  1. エリック=オマール・カマレナ(メキシコ)
  2. クロエ・ヴィトン(フランス)

レジデンス期間:2023年6月9日―7月8日

  1. レオーネ=アリックス ・マゾー(フランス)
  2. ノエミエ・ソウラ(英国/フランス)
ARCUS Research 2023 Participant

エリック=オマール・カマレナ

メキシコ

建築家、アーティスト。アメリカス・プエブラ大学で建築デザインと建築史、理論を教える。19世紀から20世紀にかけての建築史を紐解きながら、インテリアデザインと自然景観の関係を追究し、音を使った創作活動を行なっている。メキシコ芸術文化基金の支援を受け、Art OMI(ニューヨーク)やAramauca Contemporary Arts Platform (メキシコ、チアパス)での講演や作品の発表を行っている。アーカスプロジェクトでは、室内における自然景観の描写をテーマにしたサウンドアート、デザインの制作のための調査を行う予定。
http://ericomarcamarena.info/

ARCUS Research 2023 Participant

クロエ・ヴィトン

フランス

アーティスト。人工的なモノや自然界にあるファウンドオブジェクトなどを組み合わせ、儀式や神話、夢、宇宙進化論といったテーマを題材に、彫刻やドローイング、コスチューム、インスタレーション、パフォーマンスを制作している。近年の活動には、ポンピィドゥー・センター(パリ)やMO.CO.アートセンター(フランス、モンペリエ)などでのパフォーマンスがある。2018年から2019年にかけ、MO.CO.アートセンターのプログラムの一環で、インドとトルコのレジデンスプログラムに参加。アーカスプロジェクトでは「鬼婆」の伝説に着目し、福島県の安達ヶ原や、つくばの研究機関などを訪れ、睡眠と夢の関係について調査を行う予定。
https://www.chloeviton.fr

ARCUS Research 2023 Participant

レオーネ=アリックス ・マゾー

フランス

The Center for the Sociology of Innovation (CSI)の博士候補生、研究者、アーティスト。アートや都市計画や環境学、社会科学といった、人間と非人間生存条件に着目し、領域横断的な活動を行っている。パリにある都市デザインの研究機関、PAC-STREAMの研究員であり、持続可能な自然エネルギーや環境保護に関するコンサルタントをしている。過去には、フランスの外務省が推進する《Green Embassy》プロジェクトに携わった経歴をもつ。アーカスプロジェクトでは、日本の都市計画を生物多様性という枠組みから調査し、都市空間デザインの実践に繋げる予定。
https://www.instagram.com/leonalix_ma/

ARCUS Research 2023 Participant

ノエミエ・ソウラ

英国 / フランス

アーティスト、研究者。シェフィールド・ハラム大学理学部(英国)のリサーチアシスタントとして従事している。バイオテクノロジーと遺伝学、人間と非人間の関係を軸に、科学者とのコラボレーションによるリサーチをベースに、写真と映像を組み合わせた作品を制作している。近年は汚染物質やウィルスが、人体と社会に及ぼす影響に焦点をあて、Epidermotopia(パリ)やNEW NOW Festival(ドイツ、エッセン)、Giudecca Art District(ヴェネツィア)などで展示やレクチャーを行う。アーカスプロジェクトでは、夫の欲が原因で妖怪になった「二口女」を題材としたプロジェクト《Becoming Futakuchi-Onna》のための調査に取り組み、民話と現代社会との繋がりを探るとともに、現代の女性性を考察する。

アーカス・リサーチ2022

世界22カ国・地域より41件の応募があり、厳選なる審査の結果、2組のアーティストを選出しました。

  1. アギー・トッピンス(米国)滞在期間:2022年7月20日―8月11日
  2. アナ・ヴァス(フランス/ブラジル)滞在期間:2022年7月20日―8月5日
ARCUS Research 2022 Participant

アギー・トッピンス

米国

グラフィック・デザイナー。セントルイス・ワシントン大学でデザイン学科学部長を務める。グラフィック・デザインの歴史を紐解きながらそれが政治・経済・技術的な文脈から生まれ、実質的に社会に与える影響について研究し執筆活動行なっている。主な著書に『Collective Authorship and Shared Process: the Madame Binh Graphics Collective』(プリンストン・アーキテクチュラルプレス、2020年)などがある。グラフィックデザインの優れた功績に贈られるSECACやアメリカン・グラフィックデザイン賞などを受賞。アーカスプロジェクトでは、2025年に出版予定の書籍に関連する、日本のグラフィック・デザインや版画の歴史について調査を行った。
https://aggietoppins.com

ARCUS Research 2022 Participant

アナ・ヴァス

フランス/ブラジル

パリ拠点のアーティスト兼映像作家。神話や歴史、植民地、災害をテーマに、映像、インスタレーション、文字を使ったパフォーマンスなどの作品を制作する。近年では、恵比寿映像祭(東京)、テート・モダン(ロンドン)、ジュ・ド・ポーム国立美術館(パリ)、LUX Moving Images (ロンドン)、ニューヨーク映画祭(プロジェクション部門)、TIFF ウェーヴレングス(カナダ)、BFI (英国映画協会)、シネマ・ドゥ・リール(パリ)などで作品が上映されている。アーカスプロジェクトでは、「再生と災害」をテーマにした映像作品《The Voyage Out》の完成に向け、調査や撮影に取り組んだ。2013年に小笠原諸島付近で海底火山が噴火した際にできた新島と、廃炉となった福島第一原子力発電所に焦点をあてた本作は、6年間の制作期間を経て2022年にパレ・ド・トーキョー(パリ)で公開された。
https://www.vimeo.com/anavaz