ミロナリウ[クロディアナ・ミローナ&ユァン・チュン・リウ] / millonaliu [Klodiana Millona & Yuan Chun Liu]

Photo: Pichaya Puapoomcharoen

  • 招聘年2020年度レジデント・アーティスト
  • 出身1990年アルバニア生まれ / 1987年台湾生まれ
  • 国籍アルバニア / 台湾
  • 招聘期間 2020年9月24日-12月17日(85日)
  • ウェブサイトhttps://www.millonaliu.com/
滞在制作にあたって

ベタついた絡まり合い:テクノロジーとしての米

3ヶ月のレジデンスを通して、私たちは蓬莱米の調査を行った。蓬莱米は、日本帝国が植民地台湾で行った種子改良事業を明示している。1895年から1945年までの間日本の統治下に置かれていた台湾に、ある品種の米が持ち込まれ、現地の熱帯気候でも栽培できるように品種改良が行われた。 

《ベタついた絡まり合い》は、ジャポニカ米の特性、つまり、日本人の味覚を満たすために、科学的、政治的、経済的な取り組みによって地場産米が改変される原因となった、切望された粘り気を意味している。 そしてまた、このタイトルは、私たちの3ヶ月間の調査方法を文字通り表している。遺伝子が組み換えられたこの作物が、植民地主義、政治、科学、テクノロジー、環境と経済において、どのような遺産を残したのかを理解するために、粘りついているさまざまな絡まりを、一粒の米から明らかにしていった。

その主な手法として、さまざまな歴史的資料や記録資料、またその他の関連文献を調査し、研究者へのインタビューを行った。特に、私たちは、日本統治時代の東アジアの絵葉書のアーカイブに、強い関心を持つようになった。強い関心を持つようになった。

私たちの調査では、台湾の風景に映し出されているこの作物の栽培と商業化がもたらした多大な変化、また、土地の支配が住民を統制するためのテクノロジーとして、どのように利用されたのかという問題に主な焦点をあてた。その結果として、私たちは地域文化と労働の慣習に影響を与えた社会的変化を調査することになった。

蓬莱米の種子は物理的にも社会的にも台湾に大きな遺産を残した。政府によって画策され、科学的に改良された種子が引き起こした環境の変化は、意図的に導かれたものだった。この高度な生態系的帝国主義は、地域住民から経済的資産、環境的資源そして自然資源を管理する力を奪い、その結果、環境と文化を組み換えてしまったのだ。私たちは、その証拠として土壌が置かれた現在の状況を調査し、またその問題を明らかにする目撃者として作物を読み解こうとした。

最後に、この調査を通して私たちは、小さな米粒から取り出すことのできた多様なもつれに注意を払い、それらを理解し、可視化したいと考えている。社会工学のテクノロジーとしてこの種子と向き合い、非人間的な物質の中に組み込まれたイデオロギーを紐解くことを試みた。次の段階としては、フィールド調査を通してこれまでに得た知識を広め、種子を生物学的記録資料として捉えながら実践を進めていきたい。

空間デザイナー兼リサーチャーであるアルバニア出身のクロディアナ・ミローナと台湾出身のユァン・チュン・リウによるロッテルダム在住のデュオ。ハーグ王立芸術アカデミーでインテリア・アーキテクチュアを学び、建築を軸に領域横断的な活動を展開している。その発表形式は、建築の実践、映像、書籍、展覧会、ワークショップなど多岐に渡る。ウクライナでの滞在制作《Leave Us Alone》では、社会変革から取り残された工場に着目し、労働者と協働でフェスティバルを開催することで、社会の流れから取り残されながらも孤立したコミュニティを形成している工場の社会的な側面に光を当てた。

[主な展示・活動歴]
2020 「Other Ways of Watching Together」(共同キュレーター), Showroom MAMA, ロッテルダム, オランダ
2019-2020 Stimuleringsfonds recipient of the Talent Development Grant
2019 「Taking the Kitchen’s Side」Lisbon Architecture Triennale 2019, ポルトガル
2019 レジデンシー「WE ARE NEVER ALONE」(キュレーション:Metasitu), イヴァーノ=フランキーウシク, ウクライナ
2019 Selected Creatives 2019 of the Future Architecture Platform

選考理由
ミローナとリウは、大日本帝国の統治下において台湾にもたらされた米である「宝来米」について調べることで、当時の政治、技術革新、土地改良、また経済が複雑に絡まり合うなかで行われた米の品種改良に着目する。このプロジェクトは、西洋諸国が台湾という土地に対して抱きがちな平和で豊かであるというイメージを解体し、台湾の農業が強国との歴史とともにあったことを継続的に探るものだ。オンラインでの活動においては、明治時代の対外政策に関するアーカイブを訪ね、また専門家の話を聴く予定。歴史に刻まれた米と土地をめぐる統治から、農地・作物の開発の機微を解き明かすとともに現代の農業を客観的に捉える視点を浮かび上がらせることに期待が持てる。

これまでの作品画像を見る
活動の様子画像を見る

2020

イエヴァ・ラウドゥセパ〈ラトビア〉

ミロナリウ[クロディアナ・ミローナ&ユァン・チュン・リウ]〈アルバニア/台湾〉

オル太〈日本〉