ドレーン・ウーリッヒ / Doreen Uhlig

  • 招聘年2009年度レジデント・アーティスト
  • 出身1977年ドイツ生まれ
  • 国籍ドイツ / ベルリン在住
  • ホームページhttp://www.doreenuhlig.com/
滞在制作にあたって

茨城でのレジデンス期間中、私は家族関係における特別なコミュニケーションの構造を調査したいと思っています。地元守谷の方をお招きし、協働して一緒にプロジェクトを行います。これは共同的な回顧について、そして、とても親密な瞬間についてのプロジェクトです。私は映像作品のための枠組みをつくりますが、最終的な作品のかたちを決定するのは、私だけではなく、参加してくださる方々の特別な存在と活動なのです。この協働プロジェクトを基として、アートの文脈の中にいる人とも外にいる人とも、生き生きとしたアイデアを交換できることを私は楽しみにしています。ですから、私はアーカスのパブリック・プログラムやコミュニティ・プログラムにもとても感謝しています。

ドーレン・ウーリッヒはパフォーマンス、インスタレーション、ビデオ作品などジャンルやメディウムにとらわれず、様々な作品やプロジェクトを展開してきました。今回、守谷では地元の歴史や文化を調査し、そこから着想をえて作品制作をはじめます。彼女一人ではなく、地域の方々との共同作業を通して作品が完成する予定です。

<審査員のコメント>
言葉を費やさないことで多くのことを語っているようなプロジェクトです。全部を見せてしまうのではなく、自制しています。とても個人的なやり方で作品をつくっているのも好感が持てます。野心や完璧主義などはありませんが、(個人的にはそれらは彼女の作品にとって有益だと思うのですが)、形式的な強さと新鮮で特徴のあるアプローチによってそれが補われ、作品として成立しています。

ティルダッド・ゾルガダ


レジデンスのためのプロポーサルは彼女の実践と通ずるものです。パフォーマンスをともなう彼女の興味深い制作法は、現代の「闘技場」においてパフォーマンスとは実際何なのかという問いを推し進めているだけでなく、私的生活の直接的イメージを用いることなくアーティストの私的な精神への洞察をも与えてくれています。彼女が意識的に直接的イメージを拒絶することによって作動させているこの距離こそ、彼女の作品を複合的で不安定なものにしており、それこそが他の多くの似たような作品と彼女の作品を隔てるものになっています。それは純粋に実験的な声のなかの芸術だといえるでしょう。

ヘルムト・バティスタ
 

脱構築と再構築のプロセスが作品に含み込まれている点において、ドレーン・ウーリッヒのプロポーサルは私が見た応募の中でもより可能性を感じさせる一つでした。彼女が提案しているプロジェクトはそれが発生する場所と関係しており、その実験と制作が行われる期間にプロジェクトが芸術的な舞台へと変容していくものです。この作品で私が評価するのは、作品が構成される特殊な素材が地域の参加者の個人的な物語からできていることを明らかにするその方法です。そこからいかに人間性が文化を作り上げたのかがよくわかるのです。

アブドラ・カルム

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2009

ダニエル・サイプル〈米国〉

ドレーン・ウーリッヒ〈ドイツ〉

ウー・シャン=リン(呉尚霖)〈台湾〉