ティモテウス・アンガワン・クスノ / Timoteus Anggawan Kusno

  • 招聘年2015年度レジデント・アーティスト
  • 出身1989年インドネシア生まれ
  • 国籍インドネシア/インドネシア在住
  • ウェブサイトhttp://takusno.com/
滞在制作にあたって

アイデンティティが流動的に構築されていく社会政治学的背景と、集団的記憶との関係性のなかで、私たちは自分自身をどのように共同体の一部として捉えているのだろうか −どのように過去と自分を関連づけるか、もしくはどのように記憶し、または忘れていくのか。選ばれた記憶たちは、そのものごとに宿る生きた体験や逸話、そしてグローバルな文脈と密接な関わりのなかで、文献や事物やしきたりなどを通してどのようにとどめられていくのか。歴史的なアプローチを用いて疑問を投げかけます。

1989年インドネシア・ジョグジャカルタ生まれ、在住。2012年ガジャ・マダ大学(ジョグジャカルタ)政治・社会学部コミュニケーション学科にてメディア・スタディーズの学士号取得。制作にはドローイング、グラフィック・デザイン、写真、映像、文学作品の執筆や編集と多岐にわたる技法を用いる。2014年に初個展「Ethnography Exhibition by Center for Tanah Runcuk Studies: Memoar Tanah Runchuk」(クダイ・クブンフォーラム、インドネシア)を開催。植民地時代から伝わる実存不確かな領土をめぐるフィクショナルな研究を構築し、地域住民や木工、版画、製本、皮細工職人とのコラボレーションによって、そのストーリーに血肉を与える作品群を創出した。
その他主な展覧会に「Liminal」 (チュムティ・アートハウス、インドネシア、2015)、「Les Tonnerres de Brest 2012」(ブレスト、フランス、2012)などがある。

<審査員のコメント>
想像上の異形の動物を描いたドローイングと彫刻が非常に魅力的だった。それらが単にアーティスト個人のファンタジーに由来するものではなく、植民地時代の文献資料や工芸品や遺物のリサーチを基に創造されたということ、また実存不確かな失われたテリトリーを成す一部であるという設定が興味深い。書かれたもの、フォークロア、民話といった不確かな物語は、クスノの民族誌学者のようなアプローチによって、有形の作品として現代に顕在化される。そこには史実からこぼれ落ちたものに目を向けてオルタナティヴ・ヒストリーを構築しようとする姿勢が感じられ、アーカスにおいても地域の民話や神話などから着想を得て、ユニークな造形へと昇華させてくれそうな期待が持てる。

飯田志保子

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2015

ティモテウス・アンガワン・クスノ〈インドネシア〉

ステファニー・ビックフォード=スミス〈英国〉

エドゥアルド・カシューシュ〈南アフリカ〉