2015年6月13日(土)15:00〜18:00

「Imagining the past of a future」 パブリックトーク/オープンディスカッション

日越アーティストによる、日本とベトナムのチームリサーチ事業(日本編)

アーカスプロジェクトでは国際交流基金アジアセンターの助成を受け、日本とベトナム間でのアーティスト相互派遣交流事業を実施しています。

本プロジェクトでは、日本人アーティスト2人とベトナム人アーティスト2人によって構成したチームをつくり、その4人が日本、ベトナムの2カ国にて1度ずつ、計2度のアーティスト・イン・レジデンスを行います。アーティストたちは、日本とベトナムで現在起こっていること、一定の社会問題をテーマにリサーチすることで、相互理解を深め、アーティストの視点から互いの国の参照点となる問題について意見交換することを目的としています。

第1期となるベトナム編(2014年12月8日-16日)では、ティファニー・チュン、 グェン・フォン・リン、高嶺格、木村泰平の4人のアーティストがベトナムのホーチミン、ニントゥアンにてチームでのリサーチを行い、ベトナム側のアートスペースSan Art (サン・アート)とGalerie Quynh(ギャラリークゥイン)の協力のもと、パブリックトークを実施しました。チームリサーチを通じてアーティスト間で生まれる会話 "travelogue(トラベローグ)"は、国籍や文化、世代、社会情勢またはアーティストとしての姿勢の違いなどを明確にしつつも、相互理解や共通事項を探り、新しい創造を行う糧となります。

第2期の日本編(2015年6月2日-15日)では北茨城・福島でのリサーチを実施します。各アーティストがベトナムで見たこと、日本でこれから見ることをもとに 再度"travelogue" を紡ぎ出し、今後の展望を築きあげていきます。

これらの調査の経過発表/報告会として、パブリックトーク/オープンディスカッションを実施します。パブリックトークでは2度にわたる調査を通して、アーティストたちがどのような会話をし、何を思考したのかを聞き、オープンディスカッションでは文化的、社会的に今後2カ国間でアーティスト同士がどのような協働を行えるのか議論致します。


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nuclear%20power%20plant%20NT2_IMG_3193sm.jpg Photo by Tiffany Chung

アーティスト(ベトナム)
ティファニー・チュン ( Tiffany CHUNG )
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ベトナム人アーティストのなかで最も優れた作家のひとりである。彼女は作品において、歴史や文化的記憶に関する衝突や移住、都市の発展や変化を考察している。この実践を通して、彼女は戦争や人為的破壊、自然災害などによって負った様々な国の地理学的変動を探求している。都市の発展、環境破壊、人為的な危機に着目した彼女の研究は、その町や都市の成長、衰退または消滅に関わらず、民族学的な調査、聞き取りを通して土地の歴史を再度語り直すものとなっている。
これまでに、ヒューストン美術館(テキサス、米国)、サンフランシスコ近代美術館(カリフォルニア、米国)、カレ・ダール現代美術館(ニーム、フランス)、バルセロナ現代美術館(バルセロナ、スペイン)、アルコ美術館(ソウル、韓国)などの美術館での展示や、關渡ビエンナーレ(台湾)、シンガポールビエンナーレ(シンガポール)、アジア・パシフィックトリエンナーレ(ブリスベン、オーストラリア)などに参加している。また2013年のシャルジャ・ビエンナーレ11(アラブ首長国連邦)ではャルジャ・ビエンナーレ賞を受賞している。現在開催中の第56回ヴェネツィア・ビエンナーレ(イタリア)に参加。


グェン・フォン・リン ( NGUYEN PHUONG Linh )
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1985年ハノイ生まれ、在住。作品において主に性や女性らしさ、 変容、はかなさなどを扱っている。彼女の作品は官能的で性的であるが、同時に控えめでありつつも、高貴さをともなっている。近作では、土地の境界を越えた経験をもつ個人や集団の記憶の痕跡について探求している。彼女のミニマルな作品は過去をほのめかし、個人の記憶や国の歴史を深く揺さぶる。近年では3147966cm3 モバイルギャラリー(タイ)、福岡アジア美術館での個展を行っている。またソウルアートスペース(ソウル、韓国)、カマン・アートセンター(インド)、ザ・ラゲッジストア (カリフォルニア、米国)、福岡アジア美術館(福岡)のアーティスト・イン・レジデンスに参加している。

アーティスト(日本)
高嶺 格 ( たかみね ただす )
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1968年鹿児島県生まれ、秋田県在住。今日の日本で最も議論をかもす、挑発的で、不遜なメディアや映像、インスタレーションを扱うアーティストの一人として知られている。しばしば、ダムタイプのようなパフォーマンスアーティストとのコラボレーションも行っている。彼のパフォーマンス作品、映像作品は性、人間性、身体に着目した、マゾヒスティックなほどの忍耐力を要する作品が少なくない。これまで、「ザ・エルサレム・センター・フォー・ザ・ヴィジュアル・アーツ」(イスラエル)や「バンフ・センター・フォー・ジ・アーツ」(カナダ)、「SAWヴィデオセンター・フォー・ジ・メディアアーツ」(オタワ、カナダ)などでのレジデンスに参加。またアジア各国、北アメリカやヨーロッパ、オーストラリア、イスラエル、メキシコや南アメリカにて展示を行っている。有名な作品「God Bless America」は2003年の第50回ヴェネツィア・ビエンナーレ(イタリア)にて展示された。(参考URL: http://www.houseonfire.eu/tadasu-takamine). また茨城では水戸芸術館での個展「高嶺格のクールジャパン」展(2012-13年)がある。


木村 泰平 ( きむら たいへい )
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1986年埼玉県生まれ。東京藝術大学大学院美術研究科先端芸術表現専攻修了。木村は日本でも将来有望な若手アーティストのひとりである。天井から車を落とす、電動モーターによる遠心力を用いた作品、爆発を透明な樹脂に閉じ込めるなどといった彫刻インスタレーションや意図的な破壊による作品を制作している。不明瞭で生々しく、正直な彼の作品は構築物や物理的な慎重なリサーチのみならず、実験の過程を展開しているものである。エネルギーによる爆発や破壊を含む多様な作品によって、彼は私たちの日々の存在の脆弱性、物質的世界の残存とその完全な消滅との間にある細いラインに焦点を当てている。主な展示に「10年代の終戦」(eitoeiko、東京、2012)、「AT ART UWAJIMA」(SITUATIONALY、愛媛、2013)、「彫刻のコスモロジー」(金沢工芸大学アートギャラリー、石川、2013)、「するがのくにの芸術祭 富士の山ビエンナーレ」(静岡、2014)などがある。2012年にはアーカスプロジェクトのレジデンスプログラムに日本人ゲストアーティストとして参加している。